会長挨拶

 このたび、2025年5月の理事会で会長に選出されました。学会創設から、通算44年目となります。2012年度までは2年任期のため13回の理事選挙、2013年からは3年任期の今回が5回目の理事選挙となり、合計18回選挙が実施されたことになります。44年という歳月は、お店の経営で言えば2代目(第2世代)くらいでしょうか。今回は2025年から2027年度までの任期を務めることになります。8名の理事からの互選で会長に選出された結果を重く受け止め、会員に寄り添った3年間の任期を務めたいと思います。この第2世代という勝手なイメージですが、一つのターニングポイントと感じます。歴代の会長による礎があるものの、安泰ではありません。社会状況もありますが、日本の教育学に限らず、世界的にも教育学の発展は順調に進展してきたわけではないからです。本学会の主な対象であるフランスにおいても、1967年以来、教育学博士が認められ、学部が創設されてきましたが、その数、質ともに発展途上にあります。ゆえに、フランス教育学研究を専攻する研究者が国内外で活躍できる保障はどこにもありません。引き続き第2世代として精力的に、フランス教育学の存在意義を証明していく必要があります。


  前理事会の活動や考えを踏襲しつつ、さらに継続と発展できるよう新理事会の下で進められたらと願います。オンラインと対面を並行することで年間の活動を絶やさないよう心掛けたいと考えています。そのためには、全会員の積極的な参加が必須となります。誰一人欠けてはならない規模の学会であることを私からの第一声とします。大会と紀要を中心に会員には能動的な参加を期待します。そのためにも研究懇話会を活用した、オンラインによる若手会員の積極的な研究発信や研究交流を先輩会員にもご協力を願います。世界には、フランス語圏を対象とする教育研究者がもっとたくさんいるため、本学会につながることの意義を伝えることが先決です。この点を意識して活動を発展させていきたいと考えます。


  今後も引き続き、会員の忌憚のない意見を理事の皆さんないし、事務局に届けてください。最後に、鈴木規子前会長と島埜内恵前事務局長には感謝の意を表します。

園山 大祐(大阪大学)
2025年5月24日